赤い猫(あかいねこ)
  初出誌
1980年(昭和55年) 小説現代3月号
 作品関連
  雑誌 1980年 小説現代3月号 講談社
  雑誌 1981年 小説宝石6月号 光文社
  書籍 1981年 推理小説代表作選集 1981年版推理小説年鑑 講談社
  書籍 1981年 赤い猫 立風書房
  書籍 1984年 赤い猫 講談社文庫
  書籍 1984年 赤い猫 新装版 立風書房
  書籍 1986年 故意・悪意・殺意 講談社文庫
  書籍 1989年 赤い猫(上) 埼玉福祉会
  ドラマ 1989年 赤い猫 テレビ東京系
  書籍 1996年 短編集(3) 双葉文庫
  書籍 2004年 日本推理作家協会賞篇 リブリオ出版
書籍 2018年 赤い猫 ミステリ短篇傑作選 ちくま文庫
 事件の舞台
   都下(中央線沿線)・・・大林郁邸
   王子・・・アパート「さとる荘」、書店「青葉堂」、洋装店「ぶりあん」
   埼玉・・・多佳子の伯父の家
   川崎・・・事件当日に青葉堂の一家が参列した法事
 あらすじ
 勤めていた印刷会社が倒産し、身寄りもなく細々とアパート暮らしをしていた沼手多佳子は、「一人暮らしの婦人の話し相手」という求人に採用され、中央線沿いにある館に住みこむことになった。館には無口でとっつきの悪い車椅子の婦人・大林郁と、いかつい感じの家政婦・宝田フジエがいるだけで、訪ねてくるのも月に一度生活費を持ってくる弁護士ぐらいのものだった。陰気な夫人の世話をすることになるのかと落胆していた多佳子だったが、邸内でおきたあるトラブルの対処に対する郁の頭の回転の速さに感心し、徐々に多佳子は郁に興味を抱くようになっていった。そんなある日、多佳子は未だ犯人の分からない母の殺人事件の話を郁に聞かせると、彼女は興味を示し「犯人を探してみよう」ということになった。
 登場人物
大林  郁 中央線沿線沿いの館に一人暮らしをする老女。数年前に脳溢血で半身不随。
沼手多佳子 郁の話し相手兼大林家の家政婦。22歳。実家は染物屋。
宝田フジエ 大林家の家政婦。50歳代。いかつい感じの女性。
河崎 郁の顧問弁護士。月に一度生活費を持って館を訪れる。
沼手  覚 多佳子の亡父。くも膜下出血で死亡。
沼手和佳子 多佳子の亡母。17年前に自宅で殺される。アパート「さとる荘」を経営。
松川 「さとる荘」1号室の住人。L大学法学部の学生。
笹岡ますみ 「さとる荘」2号室の住人。短大生。その後、洋裁店「ぶりあん」に嫁ぐ。
綿井英太郎 「さとる荘」3号室の住人。会社員。
比良 「さとる荘」4号室の住人。会社員。
青葉堂 書店「青葉堂」の主人。子供好き。
青葉堂の母。店を手伝う。
綿井 英太郎の父。
伯父 多佳子の伯父。両親を失った多佳子を5歳の時に引き取る。
従姉妹 多佳子の従姉妹。多佳子に意地悪をする。
祖母 多佳子の祖母。中学の時に病死。
ユミ 多佳子の幼稚園時代の友人。