二人の昌江(ふたりのまさえ)
  初出誌
1978年(昭和53年) 小説現代10月号
 作品関連
  雑誌 1978年 小説現代10月号 講談社
  書籍 1980年 銅の魚 双葉社
  書籍 1984年 銅の魚 角川文庫
  ドラマ 1992年 盗まれた女 テレビ東京
  書籍 1996年 仁木兄妹の事件簿 妹の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   砧・・・浅田史彦宅
   大岡山・・・長浜竜子邸
 あらすじ
 世田谷の砧に住む浅田悦子のもとに友人の並木昌江が相談にやってきた。火災事故で顔にやけどを負った彼女は、悦子の夫・史彦の記事により読者からの支援金が集まり、整形手術で顔の痕も目立たないまでに復活、現在ではそれがきっかけとなり浅田家と家族ぐるみの付き合いとなっていた。昌江には長浜竜子という祖母がいるが、相手からは一方的に孫と認められていない状態が続いていた。その竜子が亡くなったのだが、孫としてお焼香に行っていいものかどうかというのが相談内容だった。そこで悦子が付き添いとして大岡山にある長浜邸に向かうのだが、そこで彼女たちは「並木昌江」と名乗る女性と出くわしてしまう。
 登場人物
浅田 悦子 好奇心旺盛な素人ママ探偵。音大卒業後に結婚、2児の母。
浅田 史彦 悦子の夫。東都新報社航空部のヘリコプターパイロット。
浅田 哲彦 悦子と史彦の長男。あだ名は「テッチン」。3歳。
浅田 鈴子 悦子と史彦の長女。あだ名は「スウコ」。まだ赤ん坊。
並木 昌江 江戸川区小岩に住む悦子の友人。24歳。顔に火傷痕がある。
並木 昌江? 昌江が長浜邸で出くわしたもうひとりの「並木昌江」。
長浜 竜子 目黒区大岡山に住む未亡人。82歳。昌江の父方の祖母。
長浜 昌平 竜子の亡夫。元・貴族院議員。元・「宮下商事」会長。
長浜 昌彦 昌江の亡父。竜子と昌平の一人息子。
並木 淑江 昌江の亡母。4年前に焼死。その際昌江は顔に火傷を負った。
平手 展也 港区虎ノ門にある法律事務所の弁護士。もうひとりの「昌江」に付き添う。
久美 長浜邸のお手伝いさん。
竹原ユカリ 平手の愛人の妹。
大野 竜子の主治医。長浜邸の近所にある「大野医院」の院長。
亀田 長浜邸の向かいに住む会社員。
藤崎 悦子の友人。忙しい時はお互いの子供を預かるほどの仲。
宇部 東都新報社社会部記者。浅田家とは家族ぐるみの付き合い。