霧のむこうに(きりのむこうに)
  初出誌
1972年(昭和47年) 別冊小説新潮陽春号
 作品関連
  雑誌 1972年 別冊小説新潮陽春号 新潮社
  書籍 1973年 赤と白の賭け 講談社
  書籍 1975年 殺しこそわが人生 角川文庫
  ドラマ 1981年 思い出さないで!! 日本テレビ
  書籍 1982年 赤と白の賭け 講談社文庫
  ドラマ 1988年 清水坂おもいで小路 関西テレビ
 事件の舞台
   赤羽・・・土井幸次と木村トミ子が暮らすアパート、蕎麦屋「松竹庵」
   秋田・・・トミ子の郷里
   田園調布・・・山下貞晴宅
   岐阜羽島・・・山下貞信宅
   軽井沢・・・山下夫妻が避暑に行く貸別荘
   吉祥寺・・・エディ島原宅兼英会話教室
   井の頭公園・・・貞晴がエディを呼び出した空き地
 あらすじ
 男は自分自身に記憶がないが、同居する女性・木村トミ子から名前は「土井幸次」、職業は「近所の家具店の店員」といわれている。朝にトミ子がドリップで入れてくれるコーヒーも、何故か彼はコーヒーカップで飲むことができない。そんなことでさえも自分の過去が影響しているであろうと苦悩を続ける彼は、自分の子を身籠るトミ子の静止をきかず、持っていた一枚のメモを頼りに自分自身の過去を思い出そうとしていた。
 登場人物
土井 幸次 家具屋の店員。29歳。記憶喪失。
木村トミ子 幸次の同棲相手。27歳。不動産会社の事務員。
土井 周蔵 幸次の亡父。
土井 ワカ 幸次の亡母。
山下 貞晴 「立花電機」技術部設計課長。33歳。
山下利佐子 貞晴の妻。28歳。
山下 貞信 岐阜羽島に住む貞晴の父。
春井 正枝 山下家の家政婦。57歳。
エディ島原 利佐子の英会話教師。母がアメリカ人。
川野 次郎 化粧品セールスマン。26歳。
店主 幸次が働く家具店の店主。ずんぐりした体格の男。
刑事 貞晴の中学時代の同級生。捜査一課所属。