ひなの首(ひなのくび)
  初出誌
1972年(昭和47年) 別冊小説宝石陽春号
 作品関連
  雑誌 1972年 別冊小説宝石陽春号 宝石社
  書籍 1973年 赤と白の賭け 講談社
  書籍 1982年 赤と白の賭け 講談社文庫
  書籍 1996年 仁木兄妹の探偵簿 妹の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   砧・・・浅田史彦宅
   品川・・・悦子が雛人形をもらった松田明宅(その後九州に移住)、笹井キヨ宅
   練馬・・・川内雪枝宅
   虎ノ門・・・奈江田弁護士事務所
   名古屋・・・増川の実家
   永福・・・あゆみが勤める雑誌社
   市川・・・笹井由利宅
   中野・・・スウェーデンから帰国後の永池月枝宅
 あらすじ
 鈴子の節句のため、悦子親子は仲良く雛人形を飾ることにしたが、おしゃまな鈴子は雛人形の首をとってしまった。すると人形の中から「はんにんはなえだ」と書かれたメモがみつかる。早速、雛人形の持ち主だった友人の川内雪枝に連絡したところ、彼女が学生時代に隣家でおこった殺人事件の話を語りだした。彼女が品川で暮らしていた頃、素人下宿をしていた隣宅で暮らす学生が殺され、その関係者のひとりに「奈江田」という学生がいたのだ。そこで好奇心旺盛な悦子は事件を調べることになった。
 登場人物
浅田 悦子 好奇心旺盛な素人ママ探偵。音大卒業後に結婚、2児の母。
浅田 史彦 悦子の夫。東都新報社航空部のヘリコプターパイロット。
浅田 哲彦 悦子と史彦の長男。あだ名は「テッチン」。
浅田 鈴子 悦子と史彦の長女。あだ名は「スウコ」。もうすぐ2歳。
川内 雪枝 練馬に住む悦子の友人。旧姓・松田。30歳前後。
川内 麟二 雪枝の夫。国立病院の内科医。元・笹井家の下宿人。
川内 久明 雪枝の息子。2歳。鈴子のことが好き。
永池 月枝 雪枝の長姉。結婚後、スウェーデンに住む。旧姓・松田。
松田 花枝 雪枝の長妹。両親と九州に住む大学生。
松田  明 月枝・雪枝・花枝の父。鉄鋼会社社員。
笹井 キヨ 品川にあった松田家の隣宅で素人下宿をやっていた老女。
女性 品川に住むキヨの娘。
笹井 由利 市川に住むキヨの孫。数年前にガス自殺を図る。
瀬木あゆみ 元・笹井家の下宿人。当時は美術大の学生。商業デザイン雑誌の編集者。
奈江田 元・笹井家の下宿人。当時は法学部の学生。弁護士。
増川 元・笹井家の下宿人。作家志望の文学部の学生だったが下宿先で殺される。
野中 由利の親友。
多治木のおばあちゃん 浅田家の向かいに住む老女。悦子と気が合う。
多治木 昇 多治木の孫。悦子の子供たちと仲良し。