虹色の犬(にじいろのいぬ)
  初出誌
1971年(昭和46年) 小説サンデー毎日9月号
 作品関連
  雑誌 1971年 小説サンデー毎日9月号 新潮社
  書籍 1971年 赤い真珠 講談社
  書籍 1972年 推理小説代表作選集 1972年版推理小説年鑑 講談社
  書籍 1977年 意外や意外 講談社文庫
  書籍 1980年 三日間の悪夢 角川文庫
  書籍 1986年 犬のミステリー傑作選 河出文庫
  書籍 1997年 仁木悦子集 リブリオ出版
  書籍 1999年 犬のミステリー 河出文庫
 事件の舞台
   新宿御苑・・・城山潔と楠井涼子のデート場所
   渋谷・・・ふみえの母と則子が生前最後に出会う
   麻布(鳥居坂)・・・楠井昌樹宅
   小岩・・・ふとん屋「まつみ屋」、松見菊江宅
   新橋・・・惣吉が勤めるガードマン会社
   尾久・・・「ナガセプレス」、長瀬留次宅
 あらすじ
 涼子は幼い頃から、元女優の母・則子が病死だったと聞いていたが、先刻実は自殺だったと聞かされた。しかし彼女は母の死は自殺ではなく、誰かに殺されたのではないかという疑念があった。それは幼い頃に記憶がある誰かの「奥様、奥様」という叫び声と、家にいた虹色の縞模様のある犬という手がかりがあるからだった。そこで涼子は婚約者で新聞記者の城山潔の手助けを得ながら、母の死の真相を探ろうとする。
 登場人物
楠井 涼子 照明器具製造会社のOL。22歳。
城山  潔 涼子の婚約者。東都新報社文化部記者。
楠井 昌樹 涼子の父。法律関係の出版社「誠明書房」社長。
楠井 則子 涼子の亡母。元・女優。涼子が2歳の時、病気を苦に服毒自殺する。
楠井 克彦 涼子の伯父。則子の兄。東都新報社論説委員。
楠井 萩枝 昌樹の後妻。涼子の継母。
祖母 涼子の亡祖母。晩年はリウマチで寝たきり。
松見 菊江 元・楠井家の女中。小岩のふとん屋「まつみ屋」の奥さん。
長瀬 留次 元・楠井家の爺や。息子がプレス工場を経営。
マサ子 元・楠井家の女中。
高崎 惣吉 警備会社社員。元・巡査部長。
G.M.デビットスン 昔の楠井家の屋敷の現在の住人。