赤い真珠(あかいしんじゅ)
  初出誌
1971年(昭和46年) 小説サンデー毎日5月号
 作品関連
  雑誌 1971年 小説サンデー毎日5月号 毎日新聞社
  書籍 1971年 赤い真珠 毎日新聞社
  書籍 1979年 死の花の咲く家 角川文庫
  書籍 1996年 仁木兄妹の探偵簿 兄の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   砧・・・浅田史彦宅 多治木宅、為永香枝宅、稲城夫人宅
   青山・・・君也が由美と同棲するマンション
 あらすじ
 悦子は斜向かいにある留守中の為永香枝宅への届けものをデパート配達員から預かったが、彼の話を聞くとどうも様子がおかしく感じた。香枝は留守中に窓を開けっぱなしにするようなだらしない性格ではないし、心臓が弱いため突然体調を崩したのかもしれない。そう思った悦子は向かいに住む多治木のおばあちゃんと為永家に入ってみたが、洗濯機にもたれかかるように倒れていた香枝の死体を発見した。彼女は洗濯中に感電したようなのだが、何故か手におもちゃの赤い真珠を握りしめていた。
 登場人物
浅田 悦子 好奇心旺盛な素人ママ探偵。音大卒業後に結婚、2児の母。
浅田 史彦 悦子の夫。東都新報社航空部のヘリコプターパイロット。
浅田 哲彦 悦子と史彦の長男。あだ名は「テッチン」。5歳。
浅田 鈴子 悦子と史彦の長女。あだ名は「スウコ」。
為永 香枝 浅田家の斜め向かいに住む夫人。心臓が弱い。夫とは別居中。
為永 君也 香枝の夫。シナリオライター。愛人と同棲中。
為永さおり 香枝の娘。5歳。桃李女子大付属幼稚園の園児。哲彦の憧れの人。
伯母 香枝の姉。さおりの伯母。
稲城夫人 浅田家の隣に住む未亡人。2階の部屋を貸間として「いなぎ荘」と名付けている。
長男 稲城夫人の長男。高校生。
稲城 和子 稲城夫人の長女。小学4年生。
涌井 功夫 「いなぎ荘」の住人。大学生。
有方  均 「いなぎ荘」の住人。P大学法学部4年生。
八田 「いなぎ荘」の住人。OL。
水久保律子 元・「いなぎ荘」の住人。23歳。「山菱物産」庶務課に勤務。自室で睡眠薬自殺をする。
村木 六郎 律子の恋人。28歳。
松戸 由美 君也の愛人。
多治木のおばあちゃん 浅田家の向かいに住む老女。悦子と気が合う。
多治木のおじいちゃん おばあちゃんの夫。区役所を退所後、一般企業の倉庫番をする。
多治木 昇 多治木の孫。5歳。悦子の子供たちと仲良し。
宇部 東都新報社社会部記者。
山下 東都新報社航空部パイロット。