山のふところに(やまのふところに)
  初出誌
1968年(昭和43年) 推理界8月号
 作品関連
  雑誌 1968年 推理界8月号 浪速書房
  書籍 1971年 講談社
  書籍 1976年 仁木悦子 自選傑作短編集 読売新聞社
  書籍 1979年 講談社文庫
  書籍 1981年 最大の殺人 集英社文庫
  書籍 1986年 石段の家 自選傑作集 ケイブンシャ文庫
  雑誌 1989年 小説新潮増刊 新潮社
  書籍 2011年 仁木悦子長篇アラカルト 雨の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   村・・・キノの家、仙蔵の家など
   大杉町・・・村の隣町、「春光荘」
 あらすじ
 村で一人暮らしをする83歳のキノは少しもうろくし始めているが、年下の男友だち・仙蔵が気にかけてくれているためのんびりと暮らし続けていた。そんな仙蔵からキノは、地元の名士・増太郎が大阪から帰ってくることを聞いた。増太郎は経営する無線会社の工場を建てるため、土地の買収にやってきたのだ。しかしキノにとって元飛行大尉の増太郎は、孫を特攻隊にとられた原因という思いも忘れてはいなかった。一方、土地の買収を進めたい増太郎だったが、土地の持ち主の勝平との交渉もうまくいっていないという問題を抱えていた。
 登場人物
キノ 村で一人暮らしをする老婆。83歳。少々もうろく気味。
源吉 キノの息子。木の伐採中に下敷きとなり死亡。
イネ 源吉の妻。最初のお産で出産後に死亡。
寅吉 源吉とイネの息子。特攻隊に入り戦死。
仙蔵 キノのたった一人の男友だち。66歳。
貞幸 仙蔵の4番目の孫。産まれたばかり。
坂野 勝平 村の農民。頑固者。
坂野 松男 勝平の息子。
赤沢増太郎 村出身の名士。大阪にある「赤沢無線工業」の社長。元・飛行大尉。
原木 「赤沢無線工業」専務。増太郎の片腕的存在。
野田 「赤沢無線工業」社員。
不動産屋 「裏日本観光開発」営業部長。
番頭 隣町の大杉町にある旅館「春光荘」の番頭。
日下 県警の警部補。
巡査 村の巡査。