遠い絵図(とおいえず)
  初出誌
1966年(昭和41年) 小説現代11月号
 作品関連
  雑誌 1966年 小説現代11月号 講談社
  書籍 1969年 凍った果実 カッパノベルス
  書籍 1978年 凶運の手紙 角川文庫
  書籍 1981年 犯罪オートクチュール 徳間文庫
  書籍 2020年 死の花の咲く家 昭和ミステリールネサンス 光文社文庫
 事件の舞台
   新大久保・・・冴子が住むアパート
   久住・・・素子の生家、鈴木りつの家、分木喜平の家(「西谷村」「三ツ柳」は架空の地名)
   館山町(現・館山市)・・・篤彦と素子が出会う
   千葉市・・・篤彦と素子が待ち合わせする旅館「鶴の家」
 あらすじ
 冴子は20年前の父の死の真相を未だ知らされておらず、母・素子にそのことを訊ねてもなぜか語ろうとはしなかった。そんなある日、冴子は会社の同僚から現在の素子の恋人・篠原篤彦に「口もとと顔の輪郭が似ている」といわれる。そしてその日から彼女の心の中では、自分が素子と父・唯幸の子供ではなく、素子と篤彦の子供ではないかと疑い始める。
 登場人物
三ツ柳冴子 資材課に勤めるOL。
三ツ柳素子 冴子の母。娘と二人暮らし。旧姓・長瀬。
三ツ柳唯幸 冴子の亡父。20年前に強盗に殺される。
篠原 篤彦 素子の恋人。大手電機メーカーの人事部長。妻と子供を事故で失う。
井上 紀江 冴子の友人。同じ会社の庶務課に勤めるOL。
浅井 修介 冴子の婚約者。
長瀬のおじいちゃん 素子の父。冴子の祖父。
鈴木 りつ 元・三ツ柳家の女中。
分木 喜平 元・三ツ柳家の使用人。