二つの陰画(ふたつのいんが)
  初出誌
1964年(昭和39年) 二つの陰画
 作品関連
  書籍 1964年 二つの陰画 講談社
  書籍 1973年 二つの陰画 廣済堂ブルーブックス
  書籍 1977年 二つの陰画/黒いリボン 立風書房
  書籍 1981年 二つの陰画  講談社文庫
  書籍 2006年 名探偵コレクション 面の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   祖師ヶ谷大蔵・・・アパート「満寿美荘」、木岡満寿宅、銭湯「竹乃湯」
   鎌倉・・・鎌倉市役所
   杉並・・・英二と雅恵が勤務する病院
   高輪台・・・瑠璃子が暮らす高輪台マンション
   銀座・・・歌舞伎座、喫茶店「エメラルド」
   赤坂・・・小料理屋「すゑ」
   札幌・・・厚子と惣一が心中したからまつ林、船村教授宅
   定山渓温泉・・・旅館「北斗荘」、中華料理屋「春陽軒」
   荻窪・・・均のアトリエ、花屋、均がゆかりに赤電話をかけた文房具店
   経堂・・・弘蔵がホームから転落して轢死する「経堂駅」
   渋谷・・・簡易旅館「みどり荘」
   豪徳寺・・・空き巣事件がおきる
   河田町・・・バー「マロン」
   大塚・・・バー「マロン」
   上板橋・・・バー「マロン」
   神田・・・出版社「指紋社」
   新宿・・・健介と知子が待ち合わせをした新宿駅東口交番前
   新橋・・・アパート「美晴荘」
   板橋・・・松林整形院
 あらすじ
 広告代理店のカメラマン・櫟健介一家が暮らすアパート「満寿美荘」の大家・木岡満寿が自宅で密室状態の中、撲殺死体で発見された。満寿はアパート経営の他、高利貸も行い資産をため込んでいたため、親族による遺産争いが殺人動機と思われたが、彼女は生前に弁護士を通じて遺言状を作成していた。しかし、その遺言状には親類たちも会ったことがない船村瑠璃子という女性に全額遺産を贈与すると書かれていたのだ。そこで健介夫妻は親友で新聞記者の太刀川浩とともに彼女の死の謎を追うことになった。
 登場人物
櫟  健介 アパート「満寿美荘」1階の住人。広告代理店「広宣堂」のカメラマン。あだ名は「タヌキ」。
櫟  知子 健介の妻。手芸が好き。
櫟  究介 健介の長男。まだ赤ん坊。
太刀川 浩 健介の親友。「日夕新報」記者。あだ名は「イタチ」。
木岡 満寿 「満寿美荘」の大家。高利貸しも行いケチで悪評が高い。
広畑まき子 満寿宅のお手伝い。
末永 茅子 「満寿美荘」2階の住人。満寿の姪。24歳。「鷹羽商事」のタイピスト。
猿丸 謙二 茅子の婚約者。「鷹羽商事」社員。左官屋の息子。
青谷  均 「満寿美荘」2階の住人。「木曜会」所属の画家。満寿の甥。足が悪い。
山内ゆかり 均の恋人。27~8歳。生け花の教授。
伊与野 「満寿美荘」2階の住人。世田谷区役所土木課吏員。50歳過ぎ。
伊与野貞子 伊与野の妻。おしゃべり好き。
鳥井 英二 「満寿美荘」2階の住人。病院勤務の薬剤師。
鳥井 政恵 英二の妻。英二と同じ病院に勤務する看護婦。
城山伊都子 「満寿美荘」2階の住人。洋裁学校の生徒。ひと月前に東北から引っ越してきたばかり。
笹原 武司 「満寿美荘」1階の住人。私立女子高校の社会科教師。37~8歳。
笹原美禰代 武司の妻。冷たい性格。
吉本 親夫 「満寿美荘」1階の住人。雑誌社「文化日本社」のセールスマン。推理作家志望。
由ノ木晴彦 「満寿美荘」1階の住人。21歳。L大法学部の学生。
掛川せい子 晴彦の異父姉。30歳。
田伏  誠 「満寿美荘」1階の住人。P大工学部の学生。
林  郁夫 「満寿美荘」の近所に住む小学6年生。幼い究介の遊び相手になってくれる。
林 美智子 郁夫の姉。高校2年生。
成宗 弘蔵 満寿の前夫。酒癖が悪く、鎌倉市役所退所後、日雇い労働者となる。
成宗 厚子 弘蔵と満寿の亡娘。18歳の時に心中事件をおこし死亡する。
船村瑠璃子 厚子の親友。30歳。顔に火傷の痕がある。
高部 惣一 厚子の恋人。23~4歳。中華料理店「春陽軒」の店員。厚子と心中し死亡する。
平川 静江 定山渓温泉の旅館「北斗荘」の女将。旧姓・梅田。元・瑠璃子の子守役。
木岡 善平 満寿の亡夫。事務用家具製造販売会社の経営者。5年前に病死。
青谷 均の父。表具師。
青谷 喜代 均の母。満寿の姉。茅子の伯母。
竹田 繁樹 吉本の中学時代の親友。整形外科医。
看護婦 竹田が勤める病院の看護婦。
速水 百枝 吉本の元恋人。田伏の部屋の昔の住人。
クリーニング店店員 「佐久間クリーニング店」の若い店員。まき子の恋人。
船村教授 瑠璃子の父。札幌に住むミッション系女子大学の老教授。
船村 はつ 瑠璃子の母。
船村 宣之 瑠璃子の弟。北海道大学の学生。
大川 伊都子の部屋の昔の住人。結核にかかり療養所で生活する。
広中 由ノ木の部屋の昔の住人。予備校生。
青年 高輪台マンションに住む青年。ボクシングジムに通う。
宣伝課長 札幌にある「M紡績札幌支社」の宣伝課長。
モデル 北海道出身のモデル。22~3歳。
おかみ 赤坂の小料理屋「すゑ」の女将。良家の出。
編集長 神田にある出版社「指紋社」の雑誌「指紋」の編集長。
少女 「指紋社」編集部員。18~9歳。
マダム 河田町のバー「マロン」のママ。
マダム 大塚のバー「マロン」のママ。関西弁で話す。
マリ 大塚のバー「マロン」のホステス。
ヒロ子 大塚のバー「マロン」のホステス。
ノリ子 大塚のバー「マロン」の元ホステス。
直美 大塚のバー「マロン」の元ホステス。睡眠薬自殺を図る。
美香 上板橋のバー「マロン」のホステス。
松林 板橋にある「松林整形院」の院長。
山下庸一郎 「山下法律事務所」の弁護士。
佐々木 「日夕新報」のカメラマン。
田中 「広宣堂」のカメラマン。健介の同僚。
花屋のおばさん 均のアトリエの近くにある花屋のおばさん。