黒いリボン(くろいりぼん)
  初出誌
1962年(昭和33年) 東都ミステリー
 作品関連
  書籍 1962年 東都ミステリー 東都書房
  書籍 1977年 二つの陰画/黒いリボン 立風書房
  書籍 1983年 黒いリボン 角川文庫
  書籍 1999年 仁木兄妹長篇全集 冬・春の巻 出版芸術社
  書籍 2001年 黒いリボン 埼玉福祉会
 事件の舞台
   田園調布・・・国近昌行邸
   深大寺・・・茂代の仕事部屋
   大森・・・「有田光学」、有田秀三宅
   桂川(相模川上流)・・・泰二郎が川釣りに行く
   S区・・・水原啓太邸、中華料理屋「春陽軒」
   池上・・・小町ずし
   雪ヶ谷・・・倉田裕子宅
   川越・・・友枝宅
   六本木・・・キャバレー「アルニカ」、アパート「美竹荘」、居酒屋「おかめ」
   四ノ橋(麻布本村町)・・・第2の殺人事件現場となった古い大邸宅
      (麻布本村町は1961年に合併し地名消失、四ノ橋駅は1969年に廃止)
   牛込・・・岩根が入院する国立病院
   多磨墓地・・・登美子姉妹の母の墓
   大阪・・・木戸宅
 あらすじ
 悦子は友人で社長夫人の国近絵美子の家へ行くことになった。しかし、邸内には息子を嫌い娘を溺愛する夫、見るからに意地悪そうな小姑、年の割に神経質で心にゆがみを見せる息子と、決して彼女の結婚生活がバラ色でないことを悦子は感じていた。そしてその日の夕方、絵美子の息子・直彦が誘拐される事件が起きる。
 登場人物
仁木雄太郎 植物学専攻の学生。頭脳明晰。
仁木 悦子 雄太郎の2つ年下の妹。音大の師範科に通う学生。好奇心旺盛。
国近 昌行 国近製陶㈱社長。38~9歳。
国近絵美子 昌行の妻。悦子の友人。元・R歌劇団所属のオペラ歌手。旧姓・有田。
国近 直彦 昌行の長男。2歳。神経質。
国近マユミ 昌行の長女。1歳。昌行が溺愛している。
国近 茂代 昌行の妹。33~4歳。女性作家。ペンネームは「青谷伊佐代」。
国近泰二郎 昌行の弟。28~9歳。高校の国語教師。
スエ子 国近家の若い女中。
大畑 国近家のばあや。
姉川 国近家の運転手。
友枝 元・国近家の女中。川越に嫁ぐ。
有田登美子 絵美子の姉。
有田 登美子の夫。入り婿。「有田光学」技術部長。
有田 秀三 絵美子・登美子の父。前妻と死別後、再婚。
後妻 秀三の後妻。27~8歳。鼻はぺちゃんこ。
伊井野志郎 元・絵美子の恋人。バイオリニスト。アパート「美竹荘」の住人。
女の子 伊井野の同棲相手。手足が悪い。
倉田 裕子 女子短大生。元・泰二郎の生徒。無理心中事件の被害者。
古地 留雄 元・泰二郎の生徒。無理心中事件の加害者。
杵塚  寿 出版社「杵塚書房」社長。伊佐代の元夫。半年で離婚。
岩根 「スター芸能新聞」編集長。37~8歳。
山下 国近家の隣人。
富永 国近家の隣人。
少女 国近家の近所のタバコ店の店番をする少女。
主人 「小町ずし」の店主。
ナミ 「小町ずし」の女性店員。
「小町ずし」の女性店員。
おかみさん 居酒屋「おかめ」のおかみさん。
大家 深大寺にある茂代の仕事部屋の大家。
木戸 悦子の遠縁でピアノの先輩。大阪に住む。
木戸 文代 木戸の妹。バイオリニスト。
水原 啓太 仁木兄妹の居候先。貴金属商。日本有数のシャボテンマニア。
水原 直子 啓太の妻。オペラ歌手。絵美子の音楽学校時代の先輩。
警視庁捜査一課警部補。