あおい壁(あおいかべ)
  初出誌
1961年(昭和36年) 母の友10~8月号
 作品関連
  雑誌 1961年 母の友10~8月号 福音館書店
  書籍 1999年 仁木兄妹長篇全集 冬・春の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   小金井・・・浜田家が桜の花見に行く予定だった場所
   青山墓地・・・峰夫たちがドライブで桜を見に行く
   茅ヶ崎・・・三村澄枝の実家
 あらすじ
 浜田家の三男・峰夫は三兄弟の中でも一番の健康優良で運動神経も抜群だった。しかし彼が小学校に入る前にカリエスにかかり、ギブスベッドで寝たきり生活を送ることになった。はじめこそ体のきかない弟をバカにしていた二人の兄たちも次第に不憫な弟を思いやるようになった。そんな最中戦争が始まり空襲で父が死に、母と三兄弟は栃木の遠縁の家に疎開することになった。そこで峰夫は家の末娘・綾子と出会う。
 登場人物
浜田 邦彦 旧制高校の世界史教師。
浜田夫人 邦彦の妻。
浜田 伸夫 邦彦の長男。体は丈夫だが、運動は苦手。
浜田 篤夫 邦彦の次男。線が細く神経質。
浜田 峰夫 邦彦の三男。運動神経が良く、足が速い。
綾子 栃木の疎開先の末娘。戦後、東京の女子短期大学の家政科に入学。
婆さん 綾子の祖母。三兄弟に意地が悪い。
永瀬 丈介 綾子の従兄。綾子の上京後の下宿先の主人。商業デザイナー。
カッちゃん 峰夫の友だち。小学3年生。
三村 澄枝 峰夫が入所する障害者訓練所の入学生。脳性まひ。
南  克彦 障害者訓練所で峰夫と同室の仲間。やぶにらみで舌がまわらない。
沢井 障害者訓練所で峰夫と同室の仲間。両腕とも二の腕までしかない。
広池 障害者訓練所で峰夫と同室の仲間。ポリオで足が不自由。
藤田 障害者訓練所で峰夫と同室の仲間。小学生の時にポリオにかかり車椅子生活。
桜内 障害者訓練所で峰夫と同室の仲間。ポリオで片腕がきかない。
吉岡 障害者訓練所に入所している女の子。
医師 障害者訓練所の医師。
奥さん 戦後、浜田家が住む家の大家のおかみさん。