罪なき者まず石をなげうて
(つみなきものまずいしをなげうて)

(『罪なきものまず石をなげうて』改題)
  初出誌
1960年(昭和35年) 別冊小説新潮10月号
 作品関連
  雑誌 1960年 別冊小説新潮10月号 新潮社
  書籍 1961年 赤い痕 東都書房
  書籍 1961年 仁木悦子集 東都書房
  書籍 1976年 仁木悦子 自選傑作短編集 読売新聞社
  書籍 1980年 三日間の悪夢 角川文庫
  書籍 2017年 粘土の犬 仁木悦子傑作短編集 中公文庫
 事件の舞台
   南国の小都市S市・・・小宮山親子の教会兼住居、真野辺親彦邸、徳蔵が営む下駄屋
 あらすじ
 牧師の小宮山章介と娘のしのぶは、南国の小都市にある貧乏教会で暮らしている。そんな彼らのもとに少年院から出所したばかりの少年・田代源吉が駆けこんできた。章介は源吉のことを快く受け入れ、翌日に隣家の真野辺家で行われるパーティーに一緒に出席を持ちかけた。そしてその日の深夜、突然訪ねてきた近所に住む占い師のお助けばあさんから「パーティーで鶴島が殺される」と予言される。翌日、彼らは昨晩のことを心配しながらパーティーに出席したが、その最中、天狗の仮装をしていた鶴島が予言通り殺されてしまった。
 登場人物
小宮山章介 貧乏教会の牧師。お灸が得意。
小宮山しのぶ 章介の長女。幼稚園の保母。
小宮山梅子 章介の亡妻。結核で病死。
田代 源吉 少年院帰りの少年。通称「ジャガーの源吉」。両親との関係が悪い。
真野辺親彦 小宮山家の隣人。銀行頭取。地元の名士。
真野辺道代 親彦の妻。35~6歳。
鶴島 辰哉 詩人、フリーライター。妻子と別居中。
鶴島夫人 辰哉の妻。作品上、名前が出てこない。
遠野 謙三 弁護士。地元の名士。
瀬戸内 高校の英語教師。
竹田 地元の開業医。
十時 明義 里帰り中の神学生。章介の教会に通う。
徳蔵 近所の下駄屋の主人。
マスエ 徳蔵の孫。18歳。日本脳炎を患い、頭は四歳児のまま。
お助けばあさん 近所に住む占い師。マスエがなついている。
宮川 真野辺家のパーティーの参加客。大学生。
青年 真野辺家のパーティーの参加客。大学生。
真野辺家のパーティーの参加客。赤い髪の娘。
真野辺家のパーティーの参加客。背の低い女子学生。
真野辺家のパーティーの参加客。花もようのドレスの女。
バーテン 真野辺家のパーティーのスタッフ。
ボウタイの男 真野辺家のパーティーのスタッフ。
女中 真野辺家のパーティーのスタッフ。