おたね
  初出誌
1960年(昭和35年) 宝石4月号
 作品関連
  雑誌 1960年 宝石4月号 宝石社
  書籍 1961年 赤い痕 東都書房
  雑誌 1962年 別冊宝石110「日本推理小説自選代表作集」 宝石社
  書籍 1978年 夢魔の爪 角川文庫
  書籍 1978年 死者は語らず 宝石傑作選集1 角川文庫
  書籍 1995年 日本ミステリーの一世紀 中巻 広済堂出版
  書籍 2017年 粘土の犬 仁木悦子傑作短編集 中公文庫
 事件の舞台
   東北の小都市F市・・・喜代子の生家
   N町・・・喜代子宅、たね宅、武のとうふ店
 あらすじ
 喜代子は街中で偶然たねと再会した。東北の小都市の裕福な旧家で産まれた喜代子は、子守女中として奉公していたたねに女学校に入る頃まで育てられた。彼女はその後、酒好きで荒くれ者の小作農・清造のもとに嫁ぎ、3人の子供の母親となった。そして喜代子が子どもの頃、早鳥神社のお祭りの日に清造が屋根の上から落ちてきた石がぶつかり不慮の死を遂げた話をしていると、たねは突然「清造は事故死したのではなく、自分が殺した」と告白し始めた。
 登場人物
喜代子 主婦。40歳。東北の小都市の裕福な旧家の生まれ。
たね 元・喜代子の家の子守女中。52歳。農家の娘。
清造 たねの亡夫。酒好きで粗暴な性格。屋根の上から落ちてきた石にあたり死亡。
アサ子 たねの長女。29歳。電気工事技師の夫のもとに嫁ぐ。
たねの長男。28歳。とうふ店を経営。
豊次 たねの次男。24歳。区役所職員。大学の夜間に通う。
じいさん 「ぼんてん焼き」の屋台のじいさん。
若い女 「ぼんてん焼き」の屋台の女性。