みずほ荘殺人事件(みずほそうさつじんじけん)
  初出誌
1960年(昭和35年) 宝石1月号
 作品関連
  雑誌 1960年 宝石1~2月号 宝石社
  書籍 1961年 赤い痕 東都書房
  書籍 1961年 仁木悦子集 東都書房
  雑誌 1962年 探偵実話増刊 世文社
  書籍 1979年 みずほ荘殺人事件 角川文庫
  書籍 2002年 名探偵コレクション 線の巻 出版芸術社
  書籍 2017年 粘土の犬 仁木悦子傑作短編集 中公文庫
 事件の舞台
   都下・・・アパート「みずほ荘」
   新橋・・・弥栄子が勤めるナイトクラブ
   福島・・・弥栄子の本籍地
   渋谷・・・木岡の姪たちが幸浦を見かける
 あらすじ
 正月も3日を過ぎた頃、新聞記者を休職中の吉村駿作が暮らすアパート「みずほ荘」で8号室の住人・淵田弥栄子が殺された。アパートの住人たちからは、彼女が生前に黒い外套を着た泥酔男を介抱しながら帰宅する姿や、何者かと言い争いをする声などを確認する証言は得たものの、どれも犯人を特定できるに至るものではなかった。
【ワンポイント】
 この作品は懸賞付き小説として発表されました。そして解決篇発表の際に評論家の平野謙氏が異論を唱えちょっとした論争となりました。そしてさらに翌月号に平野氏の解決篇に対する指摘や作者の反論や提言まで掲載されることとなりました。
 登場人物
吉村 駿作 東都新報社社会部記者。休職中。アパート「みずほ荘」4号室の住人。
佐竹みずほ 「みずほ荘」の女性管理人。50代。茶道と華道の講師。猫を4匹飼う。
木岡 文吾 「みずほ荘」3号室の住人。会社員。少し耳が遠い。
小川 「みずほ荘」5号室の住人。女子医大生。帰省中。
幸浦 良平 「みずほ荘」6号室の住人。キャバレーのサックス奏者。
庄川 政男 「みずほ荘」7号室の住人。32~3歳。自動車のセールスマン。
淵田弥栄子 「みずほ荘」8号室の住人。ナイトクラブのホステス。良平の従姉。
柳下 喜美 「みずほ荘」9号室の住人。胸椎カリエスで寝たきり。
柳下 由美 「みずほ荘」9号室の住人。喜美の妹。24~5歳。中学校教師。
淵田  勝 「みずほ荘」10号室の住人。既製服会社の社員。弥栄子の弟。
春山 武次 「みずほ荘」11号室の住人。大学生。カメラ好き。
辻野 八郎 「みずほ荘」12号室の住人。油絵画家。27~8歳。
三津井浩三 「みずほ荘」13号室の住人。銀行員。
高部 郁子 「みずほ荘」13号室の住人。浩三の姉。未亡人。
高部  進 「みずほ荘」13号室の住人。郁子の長男。5歳。
農学博士。ネズミの権威。
木岡の姪。20歳。
木岡の姪。18歳。
斎藤 東都新報社社会部記者。
安田 東都新報社社会部記者。
熊田 竜吉 東都新報社社会部記者。駿作の親友。