弾丸は飛び出した(たまはとびだした)
  初出誌
1958年(昭和33年) 宝石4月号
 作品関連
  雑誌 1958年 宝石4月号 宝石社
  書籍 1958年 粘土の犬 大日本雄弁会講談社
  書籍 1960年 粘土の犬 講談社ロマンブックス
  雑誌 1962年 小説倶楽部3月号 桃園書房
  書籍 1973年 名探偵傑作選 サンポウノベルス
  書籍 1977年 粘土の犬 講談社文庫
  書籍 1996年 凶器の蒐集家 本格推理展覧会 第三巻 青樹社文庫
  書籍 1996年 仁木兄妹の探偵簿 兄の巻 出版芸術社
  書籍 2017年 粘土の犬 仁木悦子傑作短編集 中公文庫
 事件の舞台
   世田谷区S町・・・滝永歯科医院、チェスマン邸、藤川町子・尾形郁子邸
   台東区K町・・・簡易旅館「あずま屋」
   北品川・・・上田昭三宅
 あらすじ
 友人の家に貸した兄のシャボテンを取りに行った悦子は、お気に入りのスリラードラマが家まで戻ると全部見られないので、帰り道の途中にあった歯科医院の待合室にあがりこみ、ずうずうしくもドラマを見ることにした。するとドラマのクライマックスの銃撃シーンと同時に、病院の外でも銃声が響き、外で立っていた老人が撃たれてしまう事件がおきた。まるで弾丸がテレビから飛び出したようなこの事件を、悦子は駆けつけた兄・雄太郎と共に真相を探ろうとする。
 登場人物
仁木雄太郎 植物学専攻の学生。頭脳明晰。
仁木 悦子 雄太郎の2つ年下の妹。音大の師範科に通う学生。好奇心旺盛。
藤川 町子 祖父が残した財産で暮らす無職の女性。手芸が好き。
尾形 郁子 町子の従姉。町子と2人暮らし。音楽が好き。
正岡 次郎 町子の友人。
G.L.チェスマン 雑貨品のバイヤー。38歳。ニューハンプシャー州生まれ。独身。
松田  弘 チェスマンの通訳兼秘書兼玄関番。
メイド チェスマン邸のハウスメイド。若い日本人。
松ヶ小路弘種 元・貴族院議員。64歳。
松ヶ小路弘嗣 弘種の長男。21歳。4年前に家出。
上田 昭三 北品川に住む会社員。29歳。
滝永 「滝永歯科医院」院長。
タバコ屋 滝永歯科医院の近所のタバコ屋。
児玉 悦子と顔なじみの交番の巡査。
杉本 警視庁捜査一課警部。