猫は知っていた(ねこはしっていた)
  初出誌
1957年(昭和32年) 『猫は知っていた』
             大日本雄弁会講談社
 作品関連
  書籍 1957年 猫は知っていた 大日本雄弁会講談社
  映画 1958年 猫は知っていた 大映
  マンガ 1958年 週刊漫画Times 芳文社
  書籍 1959年 猫は知っていた 講談社ロマンブックス
  書籍 1960年 日本推理小説大系14 多岐川恭 仁木悦子 佐野洋集 東都書房
  書籍 1965年 新日本文学全集2 鮎川哲也 仁木悦子集 集英社
  書籍 1972年 現代推理小説大系15 仁木悦子 新章文子 戸川昌子 講談社
  ドラマ 1973年 恐怖劇場アンバランス 猫は知っていた フジテレビ系
  書籍 1975年 猫は知っていた 講談社文庫
  雑誌 1976年 別冊幻影城9 仁木悦子 幻影城
  書籍 1976年 猫は知っていた/刺のある樹 立風書房
  雑誌 1977年 別冊幻影城9 仁木悦子 保存版 幻影城
  書籍 1996年 猫は知っていた 講談社文庫大衆文学館
  書籍 1998年 猫は知っていた 濡れた心 講談社文庫
  書籍 1999年 仁木兄妹長篇全集 夏・秋の巻 出版芸術社
  書籍 2010年 猫は知っていた 仁木兄妹の事件簿 ポプラ文庫ピュアフル
書籍 2022年 猫は知っていた 新装版 講談社文庫
 事件の舞台
   世田谷・・・箱崎医院、勝福寺、吉川宅、パン屋、大洋ドライブ・クラブ
         質屋「かずさ屋」、古道具屋「恒春堂」、銭湯
   品川・・・昔の箱崎医院があった場所
   中野・・・敬二の下宿先の友人宅
   名古屋・・・平坂が商用で出張した相手先
   巣鴨・・・広田文房具店
   逗子・・・兼彦が家族でドライブした
   新宿・・・雄太郎と悦子が昼食をとるそば屋
   丸子玉川・・・溺死体が発見される
 あらすじ
 雄太郎と悦子は、友人の紹介で世田谷にある箱崎医院に部屋を借りることになった。空いている2階の病室を貸間として借り、娘・幸子のピアノの指導料を部屋賃の半分の代わりにすることが条件だった。兄妹の引越が終わった後、病院では入院患者の平坂勝也が姿を消してしまった。それと同時に院長夫人の母・桑田ちえと幸子の飼い猫・チミも姿を消してしまった。病院関係者の証言をまとめると、病院の敷地内から外へ出るのは不可能な様子だったが、商用で出かけた名古屋にいる平坂から電話がかかり、また隣の寺の敷地内にいたと見られるチミも病院に戻ってきた。ちえだけが行方不明のままだったが、雄太郎の推理で唯一外部に出られる可能性があると見られた防空壕を調べている最中、ちえの死体を発見する。
 登場人物
仁木雄太郎 植物学専攻の学生。頭脳明晰。
仁木 悦子 雄太郎の2つ年下の妹。音大の師範科に通う学生。好奇心旺盛。
箱崎 兼彦 「箱崎医院」院長。箱崎家の婿養子。
箱崎 敏枝 兼彦の妻。小太りで気のよさそうな女性。
箱崎 英一 兼彦の長男。医大生。とっつきにくい性格。
箱崎 敬二 兼彦の次男。医大生。中野の友人宅に下宿している。
箱崎 幸子 兼彦の長女。幼稚園児。音楽のセンスはいまいち。
桑田 ちえ 敏枝の母。
桑田 ユリ ちえの孫。英一たちの従妹。両親は死亡。高校3年生で演劇部に所属。
カヨ 箱崎家の女中。
女中 箱崎家の女中。
家永 「箱崎医院」のベテラン看護婦。眼鏡をかけた痩せている。
人見 「箱崎医院」のベテラン看護婦。主に薬を担当している。
野田 「箱崎医院」の中堅看護婦。陽気でおしゃべり。
小山田すみ子 「箱崎医院」1号室の入院患者。中年の婦人。頸部リンパ腺炎を治療中。
平坂 勝也 「箱崎医院」2号室の入院患者。貿易商。盲腸炎を治療中。
平坂 清子 勝也の妻。英一の同級生。
大野 勝也が退院後の「箱崎医院」2号室の女性の入院患者。自動車事故でけが。
宮内  正 「箱崎医院」5号室の入院患者。26~7歳。機械技師。左手を負傷。
桐野 次郎 「箱崎医院」5号室の入院患者。大学生。サッカー部員。足を骨折。
次郎の母。
工藤まゆみ 「箱崎医院」6号室の入院患者。13歳。背中のおできの切開で入院。
まゆみの母。
沢井 「箱崎医院」の子供の通院患者。火傷を治療。
沢井の母。
山本 「箱崎医院」の通院患者。
山田 「箱崎医院」の通院患者。
清川 現在の「箱崎医院」の以前の持ち主。開業医。防空壕を作る。
松造 病院の庭を手入れする老人。
住職 病院の隣にある「勝福寺」の住職。耳が遠い。
前住職 「勝福寺」の前住職。
吉川 「勝福寺」の前の家に住む老人。70歳過ぎ。元・陸軍少将。
峰岸 周作 仁木兄妹の父の友人。元・警視庁の捜査係長。
杉山 ユリのクラスメイトの女性。演劇部部長。
少女 ユリの友人。色白の女子高生。
若主人 炭屋の若主人。25~6歳。
主人 質屋「かずさ屋」の主人。
主人 古道具屋「恒春堂」の主人。
従業員 「大洋ドライブ・クラブ」の若い従業員。18歳くらい。
周作の知人。青少年保護連盟の委員。昔は窃盗の常習犯。
笠井あきら 新進推理作家。その正体は…。
広田 笠井が下宿している「広田文房具店」のおかみさん。
人見の友人。勝也の元・恋人。勝也にフラれ発狂、精神病院で死亡する。
女中 平坂家の年をとった女中。
大野が事故にあった際、「平坂医院」に連れてきた男性。
牧村 雄太郎の友人。雄太郎に「箱崎医院」を紹介する。
警視庁捜査一課警部補。浅黒く太った体格。
警官 ハンサムな若い警官。
監察医 40歳代の監察医。